ニューファンド

【石粉粘土のレビュー&使い方】アートクレイ「ニューファンド」

フィギュア教室に通い出して早2年。

先生の勧めもあってその間ずっとアートクレイの「ニューファンド」を使ってきました。

「ニューファンド」でフィギュアを作るにはそれなりに技術が必要になるでしょう。

でも「ニューファンド」の取扱い自体は難しいことではありません。

必要なものは水とデザインナイフ、ペーパーがあれば充分です

固さの調整や接着などが水だけで済み、体に有害な成分を取り扱わずに済むことも気に入ってます。

そこそこ自作フィギュアの数も増えてきたのでここらで1度「ニューファンド」についてまとめておこうと思います。

この記事は『「ニューファンド」でどうやって使うの?』って方の参考にして頂ければと思います。

 

ニューファンドの特徴

名前に「ニュー」とある通り「ニューファンド」は旧「ファンド」からの進化版。

数あるファンドの中でも固い方だと思います。

アートクレイの「ファンド」やパジコの「ラドール」に比べるともっとコシのある固さ

「ラドール」がフカフカしたパンのような柔らかさなら「ニューファンド」はお餅のような柔らかさとでも言いましょうか。

そして「ニューファンド」(石粉粘土全般に言えることですが)は水を加えることによってある程度柔らかさを調節することが出来ます。

これまで「ニューファンド」を何袋使ったかわからないけど購入時、若干ですが個体差がありました。

生産されて間もないものは水分を多く含んでいるのでそれなりに柔らかい。

一方生産されてからある程度時間が経つと袋に密封されているとはいえ水分が飛んで少し固く、伸ばすと挽肉みたいにブツ切れで木目細かさに欠けます。

その場合は水を加えて練ることで柔らかくすることが出来ます。

ただし一度乾した「ニューファンド」は水を加えても元の粘土の柔らかさには戻りません。

ケチらず新しいファンドを使いましょう!

「ニューファンド」は乾燥するとほとんど石になる!

ぼくはおっちょこちょいなんでフィギュアの制作中よく作ってるものを床に落としてしまうんですが指とかよっぽど細いものでなければ折れちゃったとかって一度もないです(運が良かっただけかもしれませんが)。

それくらい固くなります。

ウルトラマンAのマスク。

製作中、何度床に落としてしまったことか(←気を付けろよ)。

しかし幅にして1㎝あるかないかのこのトサカ。多少の傷はつけど折れたりすることはありませんでした。

石粉粘土っていうくらいだから固まると完全に石ですね。

そして重さも石です苦笑。

でも不思議なことにナイフでカットすると木のようにサクサク削れちゃうのです

「ファンド」って削ってみると木みたいな感触。

イメージとしては鉛筆をナイフで削るような感じと言いますか(今時そんなこと言ってわかる人少ないか)

ぼくはファンドが柔らかいうちに大雑把な形を出して、ファンドが固まってからナイフで形を詰めていくことが多いですね。

ペーパーがけ

乾燥すると非常に硬くなるのでペーパーがけもしやすいです。

「ニューファンド」の紹介という本題からは外れますが参考までに僕のペーパーがけのやり方をご紹介しておきます。

•180番

ペーパーがけというよりはほぼ切削に近い番手。プラモデルではありえない番手ですね。

でも固いファンド相手だと非常に重宝します。

ナイフで削りにくい部分の切削や、ファンドに微妙な曲線を出したい時なんかに使います。

気を抜くとすぐに削りすぎてしまうので同じ箇所だけを連続してやらないよう注意!

 

•320番

こちらもまだ粗い番手。ゴツゴツした表面を軽く慣らす時に使います。

 

•400番

表面を綺麗にするという意味ではこの400番からじゃないかな。表面を磨いてファンドを綺麗に盛りやすくしたり、じっくり磨いて形の微調整をしたり。

ある程度フィギュアの形が出来てきたら1度この400番で全体を磨いて仕上がりを見るようにしています。

向かって左側の足のみペーパーがけ。

この素体は作り始めですが右側の足のようにゴツゴツした上から薄くファンドを盛ると盛ったファンドの表面も荒れる場合があります。

なのである程度形が出来てきたら左側の足のように1度ペーパーがけしてファンドを盛りやすくしてあげるのです。

「ニューファンド」に限った話ではないんですが僕はマスクしないでペーパーがけや塗装すると割とすぐに気管がキュウッと縮こまったようになるんです。

石の粉や塗料が肺に入ったら健康にいいわけないですよね!

ペーパーがけの際は十分な換気やマスク装着は必須です!

大掛かりな切削を行う場合リューターを使うこともあります。

その場合はマスクつけるとか窓を開けて換気とかいうだけでは役不足。

塗装ブース内で作業を行います。

保管について

「ニューファンド」の袋には「製造より1年間」と記載がされてます。

1年もほったらかした事ないけど袋詰めとはいえ水分が飛んで1年経つ前には固くなってかなり使いづらくなってると思います。

僕が購入してから数ヶ月経った「ニューファンド」がそこそこ水分が飛んで固い挽肉みたいで使いづらかったことがあったので出来ることなら早く使ったほうがいいでしょう。

制作中、乾燥させないためにぼくは水を張ったタッパーにスポンジを入れた「ウォーターパレット」を使うこともあります。

ファンドって厚く盛った箇所は中まで乾燥させるのに時間がかかるけどファンド表面の作業しやすい柔らかさが保たれる時間はそんなに長くないです。

そこがまた悩ましいところ。

作り始めの大雑把な盛り付けは多少乾いていてもなんとかなります。

でもフィギュアの製作が進むと盛り付けるファンドの量は減っていきますよね。

特に最後の方になると細かいディテールだったり表面の傷埋めのためにちょっとずつ盛り付けることが多くなります。

その為いちいち袋からファンドを小さくちぎって使うのってなかなかめんどくさい!

ウォーターパレットがあれば細かくちぎったファンドを置いておくことで乾燥を遅らせつつ作業することが出来ます。

おすすめ!

夏のある日•••

その日の作業を終えてウォーターパレットにファンドを入れたまま蓋をして保管しました。

2、3日後、いつものように作業を始めようとパレットの蓋をあけたところ、

なんと中のファンドが黄ばんでいるではありませんか!

夏の暑さと汚い手で作業したために雑菌が繁殖してファンドの色が変わってしまったんですね。そしてなんとも言い難い酸っぱい匂いが•••。

一度こうなってしまったらケチケチせずにそのファンドはまとめて捨ててしまいましょう!

ぼくはケチって黄色くなった部分だけちぎって残りを元の袋に戻してしまったのですがこれが大失敗!

さらに雑菌が繁殖してしまい元の袋のファンドも黄色くなってしまいました。

夏場は湿度の高いところで保管するのはやめましょう!

新しいファンドは水気が多いので特に注意!

乾燥時間

公式サイトより

「乾燥は中まで乾かすには5ミリ厚で4日~5日かかります。(粘土収縮率:1ヶ月で約 5%)」

乾燥に時間がかかる。

これはニューファンドに限らず全てのファンドの宿命です。

誤解のないように言っておくと決して「ニューファンド」の乾燥が遅いというわけではありません。

厚く盛れば盛るほど中の水分が抜けていかないから乾燥が遅くなる、ということなんですね。

詳しくはまた後述しますが対策としては

  • 芯にアルミホイルを入れる
  • オーブンで強制乾燥させる
  • 複数のフィギュアを作ってローテーションで製作

特に芯にアルミホイルを入れるのは乾燥のためだけでなくファンドの節約とフィギュアの軽量化にも有効!

僕みたいに基本30㎝以上のフィギュアを作ると素体だけで1袋、なんてこともあるので芯にアルミホイルを詰めるのは必須作業になっております。

また、自作する場合フィギュアの「重さ」って完成度に直結します。

重くなればなるほど「取り回し」が悪くなるんですね。

「取り回し」が悪いとちょっとファンドを盛り付けようとか、細かいディテールを入れようとかって時に重たいフィギュア片手に持って作業って結構大変なんです。

本題に逸れましたが作業するにあたってフィギュアは軽いに越したことはないです。

 

アルミホイルを中に詰める

フィギュアの芯になる部分にはファンドの節約とあまり重くしたくないので極力アルミホイル詰めてます。

芯がきちんと乾燥しないことには次の盛り付けができないのです。

オーブンでの強制乾燥

普通オーブンて焼いたり焦げ目つけたりするもんですよね。

当然ファンドも焦げてしまいます。

その場合フィギュアにアルミホイルを巻いたり、すでに乾燥している部分には筆で水をつけてあげると焦げ目がつくのを防げますよ。

ただオーブンでの強制乾燥では、あまり一度にたくさんファンドを盛ったものを乾かそうとすると水分が急激に抜けたことでお餅のようにプックり膨らんでしまうことがあるので注意が必要です。

因みに大きなフィギュアを作る人は発泡スチロールを芯にする人がいますが発泡スチロールはオーブンに入れると熱で溶けてしまうのでやめましょう(そもそもそんなでかいものオーブンに入りませんけど)。

ニューファンドの接着

ニューファンド同士の接着は容易に出来ます。

ニューファンドが柔らかい時でも硬化した後でもです。

ニューファンドをそのまま盛り付けると乾燥後にくっつけた部分が剥がれてしまう場合があります。

そこで接着したい部分に水を塗ってから盛り付けます。

水をきちんと塗れば乾燥してもファンドは剥がれません。

ただし水をつけ過ぎると盛り付けるファンドが滑るしベチャベチャになって作業しづらくなるのでホドホドに…。

逆に、水を塗らないで「ニューファンド」を盛れば「仮止め」ならぬ「仮盛り」とすることも出来ます。

「パワードゼットン」のアゴ(?)の先端にある「丸い部分」は丸めた「ニューファンド」をそのまま取り付けただけ。

このような場合「丸い部分」ははちょっと力を込めるだけで簡単に取れるので、水をつけないで「ニューファンド」を盛り付ける方法は「仮盛り」の際には重宝します。

乾燥後の「ニューファンド」同士の接着

個別の「ニューファンド」を接着する方法

仮止めの場合

接着面に水を塗ってしばらく押し付ければ(形にもよりますが)それだけでくっつきます。

水が乾燥した後はちょっと力を込めれば取れます。

「ニューファンド」の乾燥前と後では仮止めの方法が逆になるなんて面白いですね。

パーツ同士を完全に接着する場合

「ニューファンド」に水を加えて粘りにばらつきが出ないようよく混ぜます。

「ニューファンド」のセメントを作るわけですね。

※指などの細かいパーツだったらとりあえず先に瞬間接着剤で仮止めしておきましょう。

これを接着面に塗ったくり

接着後、ドロドロファンドの上から通常の「ニューファンド」を盛り付けます。

乾燥後、接合面をペーパーがけするなどして整形。

この方法は接着だけでなく、パテのように隙間に塗り込むことで「補強」としても有効です。

お試しあれ。

ニューファンドにペンで書き込む

乾燥した「ニューファンド」にはペンで書き込むことができます。

勿論消しゴムで消すことも。

ナイフでカットするところやファンドを盛るところ。

顔を描いてみたり。

ペンで「アタリ」を描いてその後の作業をしやすくしましょう。

ペンで描き込んだ後に水をつけてファンドを盛る場合、描いた線が溶け出して表面が汚れるので水はほどほどに。

このベホマスライム「顔を描いては溝を掘ってまたファンドを盛って」を繰り返したため、ファンドを盛った層に水で溶けた鉛筆が染み込んでしまいペーパーがけしても綺麗になりませんでした泣。

溶きパテを塗ってみよう!

フィギュアの形が出来たら傷がないか確認しやすくするためにも溶きパテを塗ってみましょう。

パテとはプラモデルで傷や段差などを埋めるために使われるものです。

パテといってもいろいろありますがここではタミヤのラッカーパテを使います。

このパテに「ラッカーうすめ液」を混ぜて溶きパテを作ります。

好みもありますが混ぜ具合は「牛乳」くらいの濃さでしょうか。

あまり濃過ぎるとせっかく造形したモールドも埋めてしまいかねないので、はじめのうちはちょっと薄いくらいでいいかもしれません。

溶きパテを塗った後でもファンドは盛ることが出来ますのでご安心を。

この写真は「ウルトラマンパワード」の胴体ですが溶きパテを塗った後、胸の形が気に入らなくなって再度ファンドで修正した時のもの。

溶きパテ塗った上から白い「ニューファンド」が盛れてるでしょ?

気をつけたいのが溶きパテとサーフェイサーは別物だということ。

•溶きパテ ファンドの盛り付け 可

•サーフェイサー ファンドの盛り付け 不可

溶きパテを塗ってもその上から再度ファンドを盛り付けられますがサーフェイサーは表面を塗膜で完全に覆ってしまい、水も通しません。

なので1度サーフェイサーを吹くとペーパーがけしてサーフェイサーを落とさない限りファンドを盛ることが出来ないのです。

もしサーフェイサーを吹くときは本当に最後の仕上げの時のみ吹くようにしましょう。

※塗装をしないのであればサーフェイサーはどうしても吹かなければいけないものではありません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

要点をザッとまとめると

良い点

•きめ細かくコシがあり伸びが良い

•乾燥すると石のように固くなるので強度が高い

•適度な固さでナイフでの切削が容易。またエッジを出しやすい。

•柔らかさの調整や接着が水だけで出来て体に優しい

悪い点

•一度に沢山盛り付けると乾燥に時間がかかる

いずれも「ニューファンド」の、というよりはファンドそのもののメリット/デメリットとも言えますね。

その中でもニューファンド独自の特徴といったらそのきめ細かさと固さでしょう。

その強度を生かして美少女フィギュアでの髪の毛や衣類といった繊細な表現に好んで使われるのも納得です。

また「ニューファンド」を加工するにあたって必要なものは水とデザインナイフ、ペーパーだけなので初期費用もそんなにかかりません。

初めて石粉粘土で何か作ってみたいって方には安全に、お手軽に取り組めるおすすめの素材です。

 

 

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