すでに多くの方々がおすすめしているので今さら僕があれこれ言うのもなんですが、フィギュア製作を始めて1年半の僕の視点からアートクレイのニューファンドをご紹介したいと思います。
また、この記事は僕のスキルや知識が向上すれば書き直すことも大いにあり得ると思います。あくまで現時点での僕の見解だと思って見て頂ければ幸いです。
僕は基本的に製作はアートクレイのニューファンドをメインに使っています。
正直言って今使ってるニューファンドには満足してます。
製作を始めてからどんな素材が自分に合うか、あれこれ悩まずに済んだのは幸運でした。
でもだからこそ他の素材を試す機会が今までほとんどなかったんですね
僕はフィギュアを作る時、特撮ものをメインに作ります。
しかも基本30㎝前後とそこそこ大きいので一度その作品に取り掛かるとなかなか他のものに手をだすのは難しくなる。
2次元のキャラクターとかロボットものとかいろいろやってみたいって常々思ってました。
そして新しい素材、モチーフを試す機会を作るついでにその使い勝手や工程を皆さんにご紹介できればいいかなと。
あくまでメインで作っているフィギュアからの寄り道なので
•全身を作ることにこだわらない(顔だけとか胸像とか)
•購入した1袋で作り切れるもの。
•製作期間はひと月以内
といった条件を自分に課したいと思います。
前置きが長くなりましたがいってみましょう!
目次
アートクレイ ニューファンドの特徴
ニューってあるとおり旧ファンドからバージョンアップしたもの。
僕は旧ファンドを使ったことないけど使ったことある人に言わせれば現行のものよりもっとキメが荒くボサボサしてたそうです。
ニューファンドの最も大きな特徴は他のファンドに比べて固いことではないでしょうか。
ぼく個人としては固くてコシがある方が好みなんでこのままで十分使えます。ただ人によっては使いづらいと感じるかもしれませんね。
その場合は水を混ぜることで固さを調節することができます。
製造から日が経ったものや開封後、保管が悪くて水分が抜けて固くなったファンドてありますよね。そういった場合には水を混ぜてよくこねてやると柔らかくなります。もちろん限度はありますけど。
乾燥後はほとんど石になります!
ぼくはおっちょこちょいなんでフィギュアの制作中よく作ってるものを床に落としてしまうんですが指とかよっぽど細いものでなければ折れちゃったとかって一度もないです
(運が良かっただけかもしれませんが)
それくらい固くなります。
参考までに、制作中のウルトラマンA。
何度床に落としてしまったことか(←気を付けろよ)。
しかし幅にして1㎝あるかないかのこのトサカ。多少の傷はつけど折れたりすることはありませんでした。
石粉粘土っていうくらいだから固まると完全に石ですね。
でも不思議なことにナイフでサクサク削れちゃいます。
イメージとしては鉛筆をナイフで削るような感じ?(今時そんなこと言ってわかる人少ないか)
ぼくはファンドが柔らかいうちに大雑把な形を出して、ファンドが固まってからナイフで形を出していくことが多いですね。
因みに、ヤスリがけすると結構粉末が飛び散ります。
石の粉なんで肺に入ったら健康にいいわけないですよね!
十分な換気やマスク装着は必須でしょう!
ファンドのデメリット
•乾燥に時間がかかる!
これはニューファンドに限らず全てのファンドの宿命ですね。
誤解の内容に言っておくと、決してファンドの乾燥が遅いというわけではありません。
厚く盛れば盛るほど、中の水分が抜けていかないということなんですね。
ぼくの場合、あまり肉厚をつける場合はアルミホイルを丸めたものを中に入れたりします。
特に人物の胴体を作る時などは有効。乾燥時間も短く済むしファンドの節約にもなるからです。
あとせっかちなぼくは待ち時間がもったいないので大体いつも3体くらい同時進行でフィギュア作ってます。
強制乾燥させる方法としてオーブンに入れての強制乾燥があります。
ファンドって水分だけが飛ぶことで乾燥するので他に有害な物質が出るわけではありません。
なので僕は家族が使っているオーブンでやっちゃってます。
オーブンにファンドのウルトラマンが入っていると白い目でみられますが(苦笑)。
普通オーブンて焼いたり焦げ目つけたりするもんですよね。当然ファンドも焦げてしまいます。
それが嫌ならアルミホイルを巻いたり、すでに乾燥している部分には筆で水をつけてあげると焦げ目がつくのを防げますよ。
ただオーブンでの強制乾燥では、あまり一度にたくさんファンドを盛ったものを乾かそうとすると水分が急激に抜けたことでお餅のようにプックり膨らんでしまうことがあるので注意が必要です。
余談ですがファンドって焼けるとお餅みたいないい匂いがしてくるんです(笑)。
石の粉を固めているのりなのか、はたまた石の粉そのものの匂いなのかわかりません。
ファンドを1階にあるオーブンで焼くと2階までその匂いが立ち込めてきます。
逆に制作中、乾燥させないためにぼくは水を張ったタッパーにスポンジを入れたウォーターパレットを使うこともあります。
ファンドって厚く盛った箇所は乾燥させるのに時間がかかるけど作業しやすいある程度の柔らかさが保たれる時間はそんなに長くないです。そこがまた悩ましいところ。
作り始めの大雑把な盛り付けは多少乾いていてもなんとかなります。
でもフィギュアの製作が進むと盛り付けるファンドの量は減っていきますよね。
特に最後の方になるとシワの造形だったり表面の傷埋めのためにちょっとずつ盛り付けることが多くなります。
その為いちいち袋からファンドを小さくちぎって使うのってなかなかめんどくさいんですね。
ウォーターパレットに細かくちぎったファンドを置いておくことで乾燥を遅らせつつ作業することが出来ます。
夏のある日•••
その日の作業を終えてウォーターパレットにファンドを入れたまま蓋をして保管しました。
2、3日後、いつものように作業を始めようとパレットの蓋をあけたところ、
なんと中のファンドが黄ばんでいるではありませんか!
夏の暑さと汚い手で作業したために雑菌が繁殖してファンドの色が変わってしまったんですね。そしてなんとも言い難い酸っぱい匂いが•••。
一度こうなってしまったらケチケチせずにそのファンドはまとめて捨ててしまいましょう!
ぼくはケチって黄色くなった部分だけちぎって残りを元の袋に戻してしまったのですがこれが大失敗!
さらに雑菌が繁殖してしまい元の袋のファンドも黄色くなってしまいました。
夏場は湿度の高いところで保管するのはやめましょう!
新しいファンドは水気が多いので特に注意!
ファンドでベホマスライム作ってみた
ベホマスライムの顔(胴体?)作ってみました。
なんでベホマスライムかっていうと今DSでドラクエ5やってて初めて仲間にできたから(笑)。
丸めたアルミホイルを具にしておにぎりを作るようにファンドで包みました。
ここまでで一度オーブンで乾燥。300番くらいのやすりでザッと表面処理。
形のアタリをつけるためにシャーペンで目と口を書いてみました。
ファンドはこのペンで線が描けるってところが本当に便利!
ナイフでのカットやヤスリがけをしたいところ(したくないところ)や、キャラクターの表情なんかを描き込むと完成のイメージに近づいてグッと作業がしやすくなるんですよね!
もちろん鉛筆で描いた線は消しゴムで消すこともできます。
ニューファンド まとめ
良い点
•他のファンドに比べるときめ細かくコシがあり伸びが良い
•乾燥すると石のように固くなるので強度が高い!
•上記の点からナイフで削って形を出すのが容易
•乾燥後はペンで線が描ける(鉛筆であれば消しゴムで消すことも可)
悪い点
•一度に沢山盛り付けると乾燥に時間がかかる
いずれもニューファンドの、というよりはファンドそのもののメリットデメリットですね。
ただその中でもニューファンド独自の特徴といったらやはりそのきめ細かさと固さでしょう。
その強度を生かして美少女フィギュアでの髪の毛や衣類といった繊細な表現に好んで使われるのも納得です。
これから初めてファンドを使ってみる、という方にはとりあえずこれを選んでおけば間違い無いですよ!