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「ニューファンド」からの乗り換え第一候補!?「Mr.クレイ・ハードタイプ」

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2020年6月末、友人から連絡がありました。

友人「本格的にニューファンド手に入りづらくなってきましたね」。

ボク「?…コロナの影響で生産が滞ってるの?」

友人「ニューファンドを生産しているアートクレイ株式会社が解散するんです」

ボク「ふぁ?!」

今まで経験したことのない動揺を感じました。

慣れ親しんだ材料の生産が終わってしまうって経験、今回が初めてなんです。

「ニューファンド」って歴史のあるマテリアルだから同じような思いしてる人っていっぱいいるんじゃないでしょうか。

ちょっとだけ浮気して他の粘土使ったこともあったけど基本僕は造形は全て「ニューファンド」でやってきました。

その「ニューファンド」が手に入らなくなるかもしれないって…。

すぐに代わりに使える石粉粘土はないものか。

Twitterで調べてみると何人かの方がクレオスの「Mr.クレイ・ハードタイプ」が変わりの粘土になるのではないかと呟かれていました。

藁をもすがる思いで即注文。

「ニューファンド」から「Mr.クレイ」への乗り換えは出来るのか?

試したところ…

結論

•完全な代用は難しい

理由

•乾燥後の強度が「ニューファンド」ほどではない

•乾燥した「Mr.クレイ」への盛りつけは水を使っても食いつきが悪い

もちろんメリットもあります!

•「ニューファンド」より軽い

•「ニューファンド」を「Mr.クレイ」に盛ることは出来る

・そのため「ニューファンド」の節約、フィギュアの軽量化のため「芯」として使うならあり

あえてニューファンドの代わりとして使うならば大まかな形を出してその上からニューファンドを使う

大急ぎで作りかけのフィギュアで試したため、今後製作が進むにつれ大幅に加筆修正する予定であることご了承下さいませ。

それではいってみましょー!

この記事を書いている6月22日現在、Twitter上では色々と憶測が巡ってます。

希望的観測でどこかの企業が業務引き継ぎをしてくれないかなーとか。

株式会社ボークスに事業譲渡することが決定。

それに伴い株式会社アートクレイは2020年12月25日をもって解散。

アートクレイ様お疲れ様でした!


「Mr.クレイ・ハードタイプ」の特徴

株式会社GSIクレオスから発売。

クレオスといえば誰もがお世話になっているであろうプラモデル用塗料の「MR.カラー」がありますけど粘土まで手掛けてたんですね!

この記事を書くまで全く知りませんでした!

「Mr.クレイ」は「VANCE MATERIAL」という「一歩進んだ造形用アイテムシリーズ」の中の一品で、他にも情景用に特化した粘土やオーブン樹脂粘土もあり、結構幅広いラインナップです。

「Mr.クレイ」成分表記

・タルク(注 無機粉体 要は石粉ですね)

・炭酸カルシウム

・パルプ

・合成糊剤

・防腐カビ剤

・水

「ニューファンド」と同じですが「Mr.クレイ」は更に炭酸カルシウムが入っています。

これが工作にどのような影響があるのかちょっとわかりませんが。

ただ成分表記をみる限り「ニューファンド」同様安心して使えそうですね。

開封してみると匂いがあります。

「ニューファンド」も少しばかり匂いはありましたけど「Mr.クレイ」の方がもうちょっと「ツン」ときます。

「ニューファンド」をずっと使っていた方はまずこの匂いが気になるかも。

ただ決して薬品ぽい匂いではなく、何というか「園芸用の土」っぽい匂いですね。

成分表記にあったパルプ(紙などに使われる植物性の繊維)の匂いかな?

だとしたら「Mr.クレイ」に入っているパルプは「ニューファンド」よりも配合量が多いのかも。

ただし「Mr.クレイ」乾燥後は匂いはなくなりますのでご安心を。

「Mr.クレイ」の使い方

制作中の「パワードバルタン」頭部。

元々「ニューファンド」で作っていたのですが素体を元に急遽「Mr.クレイ」で作ってみることにしました。

トサカ(?)左側。

色の違うところが「Mr.クレイ」。

水を塗った上から薄く伸ばしたものを盛ってます。

「ニューファンド」への食いつきは上々です!

乾燥後も強引に剥がそうとしても剥離しません。

ここまで使ってみて、匂いを除けば使用感は「ニューファンド」とほとんど変わりませんでした。

「Mr.クレイ」乾燥後の性質

爪で強く押すと跡がつきます。

乾燥後の質感は石粉粘土っていうより紙粘土に近いですね。

「ニューファンド」がしっとりした表面だとすると「Mr.クレイ」はもっとカサカサしてる。

薄く伸ばして乾燥させた「Mr.クレイ」はそのカサカサした感じが何というか固いダンボールのようにも感じます。

はっきり言って「Mr.クレイ」の固さは「ニューファンド」に及ばないです。

でも誤解のないように言っておくとこれはあくまで「ニューファンド」と比較しての話。

「ファンド」や「ラドール」などと比較するとやはり固いことには違いありません。

作品に強度が欲しいのであれば「Mr.クレイ」はこれはこれで十分ありでしょう。

「Mr.クレイ」は乾燥前はほとんど「ニューファンド」と同じ感覚で使えるのになぜか乾燥後の性質が「ニューファンド」と決定的に違います。

水をつけないと上から盛り付けることが出来ない!

水をつけずに盛ると…

…何ということでしょう!

全くくっつかない!

これ、「Mr.クレイ」最大のデメリットです。

水つけないとくっつかないってのはね〜

石粉粘土としてどうなのよって思います。

まー水つければくっつくんですけどね。

ただ造形のアタリをつけるために粘土を仮に盛りつけてみたりするわけですよ。

それが気軽に出来ないってのは…。

乾燥してる側の接着面が荒れていて盛り付ける「Mr.クレイ」が密着しない場合、水をつけても乾燥後に簡単に剥離してしまいます…。

乾燥前の扱いは「Mr.クレイ」、「ニューファンド」どちらも大差ないのに乾燥後に大きな差があるのはおそらく乾燥時に飛ぶ水分の量が「Mr.クレイ」の方が多いからではないでしょうか。

だから紙粘土、悪く言えば固いダンボールみたいになるのではと。

因みに乾燥した「Mr.クレイ」に「ニューファンド」を盛ることは出来ます。

逆は問題ないんですよ苦笑。

だから芯だけ「Mr.クレイ」使って表面を「ニューファンド」で作ればそこそこ強度を保ちつつ「ニューファンド」の節約とフィギュアの軽量化が出来ますね。

乾燥後は水に溶けない!

乾燥後の「Mr.クレイ」が水なしには更に盛り付けられない理由はこれかもしれません。

乾燥した「ニューファンド」は水をつけると表面がほんの少し溶け出してきます。

これを利用して、荒い表面に水を塗って指で擦ることでペーパーでいう400番くらいの表面にすることが出来ます。

手のようなペーパーがけしづらい入り組んだ箇所に水をつけて擦ると角が取れて滑らかな仕上がりとすることが出来ます…。

乾燥した「Mr.クレイ」は水に溶けないのでこのテクニックが使えない!

ただ上記のようなことをしない方は特に問題ではないと思いますが僕は結構このテクニック使うのでなかなか痛いです…。

乾燥時間

「パワードバルタン」のハサミです。

厚さ2〜3㎜ほどに薄く伸ばした「Mr.クレイ」をハサミの形にして2対作成。

ものは試しと自然乾燥とオーブンでの強制乾燥、それぞれやってみました。

自然乾燥

6月末、気温18度から25度ほど。

1日ではさすがにまだ柔らかかったですが2日で切削できる程度には乾燥。

僕の体感的には乾燥時間は「ニューファンド」と変わらないですね。

窓際で日光のもと自然乾燥させた「Mr.クレイ」はほとんど匂いがなくなりました。

オーブンでの強制乾燥

「ニューファンド」同様オーブンで焼くとお餅のようないい香りが立ち込めます笑。

乾燥していない「Mr.クレイ」をオーブンに入れたところまさにお餅のようにぷっくり膨らんでしまいました。

こちらも「ニューファンド」と同じですね苦笑

結局オーブンにいれた「Mr.クレイ」はセピア色になる程度に焦がしてしまったのですがこちらは木が焦げたような匂いが落ちません。

そんなにキツい匂いではないですが。

ペーパーがけ

トサカ上部のみペーパーがけ。

お!ペーパーがけは問題なく出来ますね。

気掛かりだったペーパーがけ後の毛羽立ちは全くありません。

ペーパーは180番〜400番とかけましたが綺麗なもんです。

ペーパーがけは「ニューファンド」と同じで構わないと思います。

デザインナイフで切削してみる

乾燥した「Mr.クレイ」をデザインナイフで切削してみました。

うんうん、サクサク切れますね。

「ニューファンド」よりも柔らかいのでナイフの通りもいいです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

•乾燥後の強度が「ニューファンド」ほどではない

•乾燥した後の盛りつけが水なしには出来ない

以上の点から「ニューファンド」の代用には厳しいと思いました。

強度に関してはあくまで「ニューファンド」と比較してのお話です。

通常の「ファンド」やラドールなどと比べると固さはずっとあります。

僕としては「Mr.クレイ」の最大のデメリットは乾燥すると水なしには「Mr.クレイ」が盛れない点ですかね。

形を作るだけならそう大きな問題ではないと思います。

しかし怪獣や動物を作るとき必ずシワやラテックスのモールドを入れたりするんですよね。

薄ーく伸ばした粘土を貼り付けてスパチュラでモールドを入れていく。

ファンドの醍醐味だと思うんですがそれを毎回水で濡らして行うのって結構大変。

ファンドを薄く伸ばすということは水でベチャベチャになりやすいということですから

僕はこの点がとても気になりました。

幸い「Mr.クレイ」の上から「ニューファンド」を盛り付けるのは問題なく出来るので芯を「Mr.クレイ」で作って表面は「ニューファンド」で仕上げていく方法をとってもいいかもしれません。

今回、使い慣れた材料との比較で記事を書いたのでネガティブなことばかり書いてしまいました。

「ニューファンド」以外の石粉粘土に触れるいい機会にはなったので

駆け足になってしまった作例にもう少し時間をかけてから改めて「Mr.クレイ」について追記して行きたいと思います。


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