僕はこれまでハンドピースはクレオスの「プロコンBOY WAプラチナ0.3ver2.0」を使ってきました。
なんでプロコンにしたのかっていうと単にクレオスの「L5エアブラシセット」についてきたからってだけなんです汗
で、初めてエアブラシを購入した当時から僕の嗜好も変わってきて、それまでのガンプラだけでなく特撮系の大型ガレージキット(30㎝以上)なんかも作るようになりました。
ただ30㎝以上のキットをダブルアクションの「押して」+「引く」ハンドピースで塗装し続けるのは少々キツいものがあったんですね。
そこで今の自分により合うハンドピースがないものかと調べていたところ、この「HANSA381」を発見!
このHANSA、何が凄いかってダブルアクションタイプの形なのに「トリガーを引くだけでエアー+塗料が出る」トリガーアクションタイプってこと!
実際使ってみると基本的な形が変わらないこともあり、ダブルアクションのハンドピースからの持ち替えがスムーズでした!
また、現在ダブルアクションのハンドピースから持ち替えをする場合以下のメリットがあります。
•トリガーを「引く」だけで塗料が出るので、始めに「押す」動作が無くなる分だけ指への負担が減らせる。
•別売のオプションでノズル径が変えられるので、「0.3㍉で使っていたものを細吹き用に0.2㍉へ交換」といったことが可能。
特に初心者の方は何㍉のノズル径のハンドピースを購入すればいいのか迷うところですが、とりあえず1本買ってみて合わなければオプションで交換するってのもありではないでしょうか。
この「HANSA」、調べてみるとレビューがそんなにたくさんあるエアブラシではありませんでした。
この記事では
•HANSAシリーズの購入を検討しているけど使い心地が知りたい
•今までエアブラシ何本か使ってきたけど今までと違ったものが欲しい
って方に参考にして頂けるよう自分なりの使用した感想をまとめてみました。
目次
ハンドピース「HANZA 381」について
- メーカー H&S社(販売:エアテックス)
- 値段 21500円(税抜き)
- ノズル径 0.3㍉
- カップ容量 5cc
HANZA 381と281の違いについて
HANZAにはいくつかの品番によってそれぞれビミョ〜に仕様が異なります。
違いはざっくり言うとノズル径なんですが、「模型向け」と考えると0.3㍉や0.2㍉が一般的でしょう。
僕が購入を検討している時に381と281で違いがよくわからず迷っていたのでここで改めてまとめてみました。
381
- ノズル径 0.3㍉
- 塗料カップ容量 5cc
- 重さ 109g (絵具カップあり、絵具カップふたありの状態)
- 塗料カップふたの有無 有り
281
- ノズル径 0.2㍉
- 塗料カップ容量 2 cc
- 重さ 89g (絵具カップあり、絵具カップふたありの状態)
- 塗料カップふたの有無 無し
381と281の大きな違いはノズル径が0.3㍉か0.2㍉かというところで、ノズル系にあわせて塗料カップの容量も異なる点です。
どちらを購入すればいいか迷ってしまう方は自分がどちらのノズル径で塗装をしたいかで決めればいいと思います。
この後にも書きますがHANZAは別売りのオプションで「塗料カップ」と「ノズル径」が変えられるのでもし塗装の用途が変わったのなら交換という手もあります。
僕としては281に塗料カップの蓋がついてないのがビックリ(笑)。
2 ccのカップなんて使ったことないけど塗料の量が少ないと蓋がなくてもこぼしづらいってことなのかな?
HANZAの特徴
HANZA381の最大の特徴はなんといってもこのダブルアクションタイプの形でトリガータイプのハンドピースという点でしょう。
通常ダブルアクションのハンドピースは
- トリガーを押す(エアが出る)
- トリガーを押したまま引く(塗料が出る)
この順番ですがHANZAの場合は
- トリガーを引く(エアが出る+トリガーが一定のところまでくると塗料も出る)
トリガーを「引くだけ」で塗料が出るんですね。
ダブルアクションタイプのハンドピースってその構造の性質上、手元の動作も「押す」+「引く」のダブルアクションになるんですがHANZAの場合「引く」だけのトリガーアクションで塗料が出せます。
一般的にトリガータイプというとタミヤのスプレーワークHGのようにトリガーが下についている水鉄砲のような形になります。
HANZAの場合トリガーが一般的なダブルアクションハンドピースと同じ、上についているということでダブルアクションタイプからの持ち替えがスムーズに出来るというメリットがあります。
H&S社製品の傾向らしいんですがパーツの組み立て精度が高いため、ノズルキャップをはじめとするパーツ類が指ではとても取り外せないほどカッチリ締められている場合があります!
僕の場合、箱から取り出してまずはハンドピースを分解してみようと思い説明書片手に頑張ってみたんですがどうにも分解出来ない!
これは不良品か?と販売元のエアテックスさんに問い合わせたところ「H&S社製品は組み立ての精度が高いためネジの締まりがキツいことがあり、どうしても分解出来ない場合は郵送して頂ければ分解する」とのことでした。
不良品ではないことがわかり、ペンチでなんとかノズルを回したところ分解することが出来ました。
一応ペンチの先には布を噛ませたんですがそれでも少し塗料が剥がれちゃいました!
ノズルキャップギザギザ部分の塗装が…。
知人が同じものを使っていたので聞いたところ「そんなことは全然ない」と言っていたので、個体差があるようなんですがもし組み合わせが硬いものに当たってしまった場合は先端にゴムの付いたペンチかエアテックスさんに郵送することをお勧めします。
豊富なオプション
HANSAシリーズ共通のノズルベースセットがあり、これを使用することでノズル径を標準のものから変更することが出来ます。
ノズルベースセット(ニードル・ノズル・ニードルキャップ)
0.2㍉ 8360円(税込み)
0.3㍉ 6985円(税込み)
0.4㍉ 6985円(税込み)
塗装の度にノズルの交換なんてめんどくさ過ぎますが、例えば僕は0.2㍉径のハンドピース使ったことないんで本体を買い直すよりは安く済むのでちょっと試してみようって時にはいいかも。
砂目吹き専用ノズルキャップ
2880円(税抜き)
ブツブツとした砂の目のような吹き方が出来る専用ノズル。
ニードルキャップとノズルキャップの一体型になります。
HANSA用のノズルだけでなくH&S社のエボリューション・フォーカス・コラー二・インフィニティ用のノズルもセット。
絵具カップ
2cc 1320円(税込み)
5cc 2530円(税込み)
絵具フタ
2cc 1265円(税込み)
5cc 1210円(税込み)
フタ別売りにする必要あるんだろうか…。
「HANSA381」の使い方
ではここからは実際に使っていこうと思います!
始めにニードルキャップですが僕は標準で付いているキャップは使いません。
元々付いてるキャップは側面に穴が空いていて、キャップ内で空気を対流させることで塗料だまりを防ぐらしいのですが僕はそんなにメリットを感じませんでした。
何より穴だらけなのでキャップを塞いで行う「うがい」が出来ない!
僕は一度のエアブラシ使用で3〜4回は色を入れ替えるのでうがいが出来ないのは
かなり大きなデメリットになります!
てことで付属の「穴無しニードルキャップ」を使用。
新水性ホビーカラーを吹いてみる
下地処理まで終わったタミヤの「T-55」戦車です。
このキットに新水性ホビーカラーのカーキグリーンを吹いてみました。
試し吹きということで砲塔に隠れて見えない部分にグルッと一周。
結構大雑把に吹いたこともありますが僕的には塗料やエアーの出がHANSAだから特別どうこうということはありませんでした。
基本色の塗装はおよそ1時間ほどで終了。
僕の場合20㎝ほどのスケールを1色塗るとこれくらいの時間がかかります。
まあ何を塗るかで時間は大きくかわるのであくまで参考程度に受け止めていただければと。
HANSAのトリガーについて
クレオスのプロコンBOYと比べると固め。
プロコンBOYのトリガーがブヨブヨした動きだとすればHANSAはもっとコシがある感じ。
このコシは指にとって「重い」ともとれるし、塗料の射出の微調整が効く「固さ」ともとれますね。
ハンドピース後部にあるニードルストッパーの調整幅はプロコンに比べれば浅め。
調整幅が少ないというよりも少ない調整幅で済むという感じかな。
前述のとおりHANSAはトリガーアクションのハンドピースなのでダブルアクションのハンドピースと比べて、トリガーの重さを踏まえても僕はHANSAの方が使っていて楽でした。
ダブルアクションタイプのものと比べて指の動作が一つ無くなると、指の負担が思った以上に減ります。
作業時間が長くなるほどこの点は顕著だと思いますね。
HANSAは塗料カップが取り外せることも売りの一つですが、塗料カップの蓋がとーんでもなく固いので蓋を強く開け閉めした勢いでカップの取り付けが緩むことがあります。
そうなるとカップ内の塗料が接合部分に入ってしまい次の塗料を入れた時に前の塗料が混じってしまう恐れがあるので、くれぐれもカップの中に塗料がある内にカップを緩めることのないように!
塗料が溝に侵入してしまったの図
掃除の仕方
まずはここまでバラします。
説明書によると本体はこの写真の状態からトリガーや内部のパーツもバラせるようなんですがネジがキツすぎてバラせませんでした!
まあ塗装中よっぽどハンドピースを後方に傾けなければ塗料がハンドピースの後方に行くこともないのでそうでなければ今はこれで良しとしましょうw
多くのハンドピースは先端のノズルを外す時、付属の専用レンチを使わないと取り外せませんがHANSAは全て手で取り外せます。
ハンドピースの掃除の度に専用レンチを工具箱から出し入れするって結構めんどくさいです。
なので専用レンチが必要ないってのは僕的に結構ポイント高いですね。
注意点としてはノズルは固定されているわけではなく乗っかってるだけ。(だから工具がいらないのか)
なのでノズルキャップを外したら落とさないように取り扱いには気をつけましょう。
塗装時の注意点でも書きましたが、塗料カップの取り付けが甘いと接合面に塗料が入り込んでしまいます。
カップ側にはゴム製のOリングが入っているので気持ち結構きつく締めないと本体との間に隙間が出来てしまいます。
今までカップとハンドピースの一体型を使ってきたのでいまいちここら辺の取り扱いが慣れませんね(苦笑)
塗料が入り込んでしまった場合は忘れずに拭き取っておきましょう。
まとめ
HANSAはトリガーアクションにどれだけ魅力を感じるかで評価が決まるんではないでしょうか。
HANSAのトリガーの引きはクレオスやタミヤのものよりちょい重め。
しかしトリガータイプなので指への負担はダブルアクションタイプと比べれば総合的には減っていると感じます。
長時間の使用、あるいは大きめのキットの塗装などの際には特にそれが実感出来ます。
あと初めてエアブラシの購入を考えている方は何㍉径のハンドピースがいいか迷うところですよね。
僕もそうでした。
でもHANSAならオプションパーツの交換でカスタマイズも出来るので1本あれば幅広い用途で使えます。
例えば、僕は0.2㍉径のハンドピースは使ったことないですがもし必要になれば1本新しいハンドピースを買うのではなく、0.2㍉のノズルベースセットを購入してカスタムしちゃいます。
だからこれ買って「使えなかった!」って本当に失敗したことにはならないと思うんですよね。
けっして安い買い物ではないですけど使い勝手やその後の汎用性を考えると初めての1本としてもおすすめです!